張錦萍さんとTOPSFLOの縁は2011年に始まりました。当時の彼女は長沙の製薬会社で経理業務に携わっており、仕事は比較的ゆったりとしていました。余暇を充実させるため、副業を探していたところ、彼女のキャリアに大きな影響を与える人物——TOPSFLO創業者のRichard Wang氏と出会いました。

TOPSFLOでのパートタイム勤務を経て、張錦萍さんは正式にTOPSFLOチームへの参加を決意しました。「仕事の楽さよりも、私は会社の将来性を重視しています。この期間に会社の業績が急速に伸びているのを目の当たりにし、王社長のビジョンと行動力に深く感銘を受けました。彼の掲げる未来に共感し、私は全力でついていく覚悟を決めました」。こうして、彼女はTOPSFLOポンプ工業の財務担当として正式に加わりました。

「忠臣」の目覚め――財務は会計だけではない

10年間財務のポジションを守り続けた張さんは、TOPSFLOがわずか数部屋の賃貸オフィスと1,500㎡の工場から、広々としたオフィスと16,000㎡の自社工場へと成長し、業績は世界65ヵ国以上に広がり、従業員数も数十名から、研究開発・製造・マーケティング・営業・運営など多部門にわたる数百名へと発展する過程を目の当たりにしてきました。

会社の急成長に喜びを感じながらも、自身の成長速度とのギャップに焦りも感じていたといいます。「財務はただの帳簿作業ではなく、会社全体の運営を俯瞰して各部門を連携させる存在でなければならないと気づいたとき、私は自分が”井の中の蛙”であることを思い知らされました」。

その想いは、すでに先見の明を持つリーダーの計画に組み込まれていました。会社はすぐに彼女を含む財務担当者に外部研修の機会を設け、体系的な学びを通じて視野を広げるよう支援しました。「本格的な学習を通じて、自分の考え方と視野が大きく変わりました」。

「名将」への成長――ERPシステム改革で受動体制を打破

TOPSFLOは早くからERPシステムの導入に取り組んでいましたが、当時の在庫管理は「混乱」かつ「制御不能」と表現されるほど深刻でした。材料調達の管理が標準化されておらず、在庫の滞留が企業資産をむしばんでいたのです。

「製造ライン上の材料在庫だけでも40〜50万元分あり、毎月在庫削減会議をしても根本解決には至りませんでした」。この課題に立ち向かうべく、張さんはERPシステムのアップグレードに本格着手しました。会社もこれを年間戦略として位置づけ、外部の財務コンサルタントを招へいし、財務チームも6名体制に強化されました。

当時、張さんの娘さんは高校受験の大事な時期でした。家庭と仕事の両立に奮闘しながら、チームと共に1ヶ月以上にわたって夜遅くまで会議やプロセス改善を重ねた結果、ついに「金蝶クラウド・星空プロジェクト」が正式に始動。

ERPのアップグレードにより、財務、営業、購買、生産、倉庫管理が一気に可視化され、企業の運営効率は大きく向上。大口顧客への納期対応も可能となりました。「いまや社内の問題点も財務分析から直接洗い出せます。もちろん在庫管理も問題なしです！」と張さんは誇らしげに語ります。

視野を広げ、会社全体を俯瞰する財務へ
彼女は経理の枠を超え、会社の業務プロセス全体を整理し、標準工数の導入、経営指標と財務指標の整備、勘定の明確化と精緻化を推進。さらに、株式構造と計画の落とし込みまで実現しました。今や張錦萍さんは「企業全体を支える財務構築」の道を着実に歩んでいます。

次の10年へ――会社と同じ周波数で成長を続ける

2021年、TOPSFLOは多くの社員の羨望を集める出来事を実現しました。功労社員に対し、3台の紅旗（Hongqi）の高級車を贈呈したのです。その受賞者の一人が張錦萍さんです。花束を手に、笑顔あふれる彼女の姿が印象的でした。

この10年間、彼女は王社長の口から何度も「仕事と人生、両方の幸福感」という理念を聞いてきました。そしてTOPSFLOでその幸福を実感しています。「かつては仕事のために出社していましたが、今は出社が楽しみです。毎日が充実していて、エネルギーに満ち溢れています」。その幸福感を、今では彼女自身がチームに伝えています。

今後の10年、彼女の目標は、財務システムを経営判断を支える重要な柱に進化させること。2022年以降、トップレベルの設計、予算体系、原価計算、財務分析、管理会計、内部統制など、多角的に最適化を進めていく予定です。

「財務の考え方は固まりやすいからこそ、学び続けたい」と謙虚に語る彼女は、将来、社外講師のようにグループ財務運営を任され、後輩に知識と経験を伝えられるような存在を目指しています。

「この10年、リーダーの方向性は常に正しかったことが証明されました。これからの10年も、リーダーの歩みにしっかりついて行き、会社とともに成長を遂げていきます！」と、張錦萍さんは力強く語りました。